
コロナはなぜ重症化するのか➁
肺炎の治療としては
⓵酸素投与をします。
肺炎の患者さんに限りませんが、
酸素の必要度に応じて、酸素マスク、NHF(nasal high flow)、NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)
による酸素化の改善を図ります。👌
NPPVは非侵襲的陽圧換気療法といって、人工呼吸器の一種になりますが
非侵襲的というように挿管する必要がありません。
NHFやNPPVでも酸素化の改善が得られない場合は、挿管して人工呼吸器を装着することになります。
⓶薬物療法
細菌感染症の場合は原因微生物に感受性のある抗菌薬を投与します。
肺に入った菌により、重症化すると敗血症へ移行してしまいます。そうなる前に
菌をたたく(殺す)必要があるからです。
ウイルス感染症の場合には抗菌薬が効かないため、③に書いた対症療法(症状を緩和する治療)を行います。
コロナウイルスの有効な治療薬が見つかっていないのも、ウイルス感染症は抗菌薬が効かないからです。😭
⓷安静、保温、電解質バランスや脱水の補正をします。
ベッド上安静をとっていただくため、膀胱留置カテーテルを挿入します。
ICUでは膀胱留置カテーテルは精密のものを選び1時間量を計測しています。
それに加え電解質(Na、K、Ca)のバランスを調整します。
入院時に患者にAライン(動脈ライン)が挿入されます。
Aラインでは血圧がモニタリング出来ます。
そして、患者さんに都度針を刺して採血することなく血液検査ができます。✨
ICUでは4時間おきに血液ガスを取り、呼吸状態、電解質異常がないか見ます。
どのくらいの酸素が必要かは、SpO2で見ることもできますが、
PaO2や電解質のチェックをするには、
血液ガスが最強です笑
ICUで入院中の患者がなりやすい肺炎は
VAP(人工呼吸器関連性肺炎)です。
挿管中の患者さんは挿管チューブに付着した口腔内の微生物が
カフの隙間から肺へ侵入(痰の垂れ込み)によって起こるとされています。
そのため、原則6時間以内に口腔ケアを行い
口腔内を清潔に保つようにしています。
また、誤嚥性肺炎も病棟で起こりやすいものです。
ご高齢の方やICUで治療を行った患者さんなどは、飲み込む力(嚥下)が衰えていることが多いため、
水分補給や食事でむせてしまうことが多いです。
誤嚥のリスクがある患者さんの食事は
嚥下の認定ナースが介入し慎重に取り組んでいく必要があります。
働き世代が肺炎になることはほとんどありませんが、ご高齢になるほど容易になってしまい、
ICUで集中管理が必要なほど重症化します。
たかがむせこみですが、高齢者にとっては命取りになることもあります。⚠️
最後に抗菌薬の話ですが、💊
これは医者の世界なので難しいですが、
肺炎で入院した患者に抗菌薬は何を使う?
と夫に質問したところ、
培養の結果が出てからでは遅いから
起因菌の頻度から抗菌薬を選択して、速やかに抗菌薬を開始する(培養をとってから!)。
その際に重症であれば広域(どんな菌でも効く抗菌薬)で始めて、
培養が出たらその菌をターゲットにする狭域の抗菌薬に変更する。
広域の抗菌薬は耐性菌を作ってしまうため、軽症にはできるだけ使わない。
広域抗菌薬の代表はカルバペネム系抗菌薬などで
私の病院ではメロペネムという抗菌薬を使用する。
とのことです!!!
まとめ
肺炎の患者さんは
抗菌薬を使用し菌を叩き、敗血症性ショックへ移行させない!
呼吸状態のモニタリングを行い管理を行う!
そして、呼吸状態悪化の早期発見に努める!
コロナの治療に関しては、
コロナのワクチンは開発されてない。
そして、特効薬もなく、主に対症療法。
です。
肺炎を撃退し、1人でも多くの患者さんが回復できるように全力を尽くしていきたいですね❗️
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
コメント
i love this great post