
敗血症性ショック知っておきたい緊急使用薬剤
こんばんは!
またショックの話しに
なるのですが、、、🤔
敗血症性ショックというのはICUなどで起こりやすいので、
敗血症を起こしている患者の病態や
治療(使用する薬剤)等は知っていて損はしない!👍
と思うので書いて行こうと思います😉
まず、前回のおさらいからすると、
敗血症性ショックというのは
血液分布異常性ショックに分類されます。
敗血症は
「感染に対して宿主生体反応の統御不全により
臓器機能不全を呈している状態である。
敗血症性ショックは、敗血症のうち、
循環不全と細胞機能や代謝の異常により、
死亡率が高くなた状態である。」
と、2016年に米国集中治療医学会 Sepsis-3 により定義が改正されています。
つまり、重度の感染によって身体の防御機能がうまくできず、
心臓や、腎や脳など大事な臓器が機能できなくて、死亡してしまうよ。
ということです。
敗血症は身体の生体反応として菌と戦っている状態なので
全身に炎症が起こっている状態です。
したがって、培養などをとった後は抗菌薬を使用していきますが
今回はショックの対応目線で書いています。
病態としては↓
①生体は炎症刺激を受けることで血管透過性が亢進し、血漿などの血液成分が漿液として
組織間質へ滲出し炎症性水腫(浮腫)となります!
②炎症時にはヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジン、NO(一酸化窒素)
などにより、血管の拡張が起こり、血圧が低下、頻脈になります。
このように、敗血症性ショックは
・血管透過性亢進→血液の滲出
・血管の拡張→血管内の体液の分布異常
という血液分布異常が起こっているから、
血液分布異常性ショックに分類されます。
治療としては↓
分布異常をきたしており、相対的な後負荷不足となっているため、
まずは
⓵細胞外液の投与を行います。
例えば、「ソリューゲンF1本いって!」と医師に言われたら
迷わず全開で落とします。
そして、「反応あった?」と医師がその輸液投与に対して血圧上昇したかを
確かめます。
投与することで、細胞外液が血管内を満たすのであれば血圧は上昇してくるはずです。
しかし血管透過性の亢進や血管の拡張が上回る場合は血圧の上昇は認めません。
そういうこともあるので、
ならば!
末梢をしめれば良い!
血圧というのは心拍出量と末梢血管抵抗を用いて計算し、測定しています。
心拍出量が少なくても、末梢を収縮させれば、血圧は上がります✨
循環器の話をすると長くなるので今回は詳しくは飛ばします🙂
上記に記載した通り末梢をしめれば良い!
ということで、
⓶ノルアドレナリンを昇圧目的で投与する。
細胞外液の投与で血圧の上昇が認められない場合は拡張している血管を収縮してさせることで
血圧を上昇させます。
主に⓵、⓶の順にやっていきますが、緊急時にはほぼ同時に行われることが多いです。
ショック状態の場合は、ノルアドレナリンを医師の指示を受ける前から
準備しておくと、いいと思います!👌
昨日の夜勤で敗血性ショックの患者さんがいましたが
その患者さんはもともと、ノルアドレナリンを高用量で投与しており、
血圧60台、実測では測れないほどだったため
医師が他にできることはないかなー?
と、話し合い、ピトレシンの投与開始しました。
その後、「ハイドロコートン始めよう。」
という意見も出ましたが使用しませんでした。
これを調べるとピトレシンはバソプレシンという下垂体後葉ホルモン剤と、
ハイドロコートンは副腎皮質ステロイドホルモンと出てきました。
夫に質問すると、
敗血症の第一選択はノルアドレナリン。
それでも血圧が上がらなければピトレシンというバソプレシンの投与の検討をする。
どちらも昇圧目的で使用します。
それプラス、
敗血性ショックのような重症の感染の場合、
ショックの離脱や炎症を抑制する効果を期待して
ステロイド(ハイドロコートン)投与を検討する。
だ、そうです笑
補足⚠️
ノルアドレナリンは末梢の血管をしめるので末梢の循環はもちろん悪くなります。
また腎臓など細い血管への負担も多くなるため、
長期使用することは望ましくありません。
血圧の上昇が見られれば、
少しずつ量を減らしたり微調整は必要です。
バソプレシン(ピトレシン)も強力な血管収縮作用のため同様です!
微量な量で血圧がとても変動する強い薬なので、
したがって、「ノルアド切ろう」と医師が言ったからと言って
ルートを外した後
終了したカテコラミンルートを絶対にフラッシュしたりしてはいけません。⚠️
ルートにカテコラミン!と
いう旗を立てて注意して使用していきます!
また、ノルアドレナリン、ニカルジピンなどは昇圧剤、降圧剤でよく使用しますが、
劇薬になります❗️
静脈炎を起こしやすいので末梢でいくのは避け、
基本はCVやPICCなどの(中心静脈)から使用します❗️
シリンジポンプを3台以上使う場合
必ず3括を使用して同じルートを使用することになるので
ルートの整理も看護師の大事な管理になります。
カテコラミンはカテコラミン、
鎮静は鎮静でまとめる。
抗生剤はメインのルートから投与する。
など、ある程度決まりがあり、
薬効的に同じルートからいってはいけないものがあります。
常にこれで大丈夫かな?
と、投与前に考え、確認することが大事です。
焦っている時ほど事故は起こりやすいので
時間は戻せないことを頭に置いて医師に焦らされたりしても
医師の圧に負けない看護師の対応をしていきましょう👍笑
長くなりましたが
最後まで読んでいただきありがとうございました。